懐かしさと切なさを感じたいときに聴きたい曲。
深海のリトルクライ feat. 土岐麻子/sasakure.UK
最近知ったんだけれど、とてもお気に入りでよく聴いている曲。
知ったのはTwitterの弾いてみた動画がタイムラインにあがってきたから。
土岐麻子はcymbalsが好きなので知ってて、土岐麻子の弾いてみたは珍しいなぁと思って動画をみたのがきっかけ。
ピアノやらエレピ、シロフォンの音が好きな私はまぁイントロから持ってかれましたよね。
個々の楽器のメロディパターンやリズムは基本的にシンプルで、繰り返しが多いから難しいことしてるわけじゃないんだけど、とっても印象に残る。
これって凄いことだと思うんだよね。
展開の強弱もすばらしい。
静かなところと盛り上がるところのメリハリがあって聴いていて気持ちいい。
全部の楽器がずっと鳴ってて音が厚いことだったり、難しいことをすることだけがいいわけではないんだなってのがよくわかる。
音がないことの心地よさ。休符の美学を感じる。
歌詞は人魚姫がモチーフだよね。
1番の歌詞だけだとわかんないけど、2番の歌詞から人魚姫にまつわるワードがたくさん出てくる。
「肢」「ナイフ」「泡」「王子様」「声」
music videoにも人魚姫の絵が出てくる。
しかもこの描写がうまいんですよね。
特に2番。もうこれは歌詞読んでほしい。
Aメロの状況説明からサビの主人公の心情まですごく儚くて綺麗な描写。
「落としたナイフ 私にはもう掴めない
こんな結末 いっそ泡にでもなってしまえ しまえ」
2番サビ終わりのここで胸がぎゅーーーって持っていかれてしまった。
そして今気付いたけど、最初のシロフォンの音はおとぎ話感を出しているのか。
オルゴールと物語ってやっぱりセットな気がするものね。
だから曲の冒頭部で、少し懐かしい感じがしたんだなぁ。
古い絵本を開くときの感覚。
そして何より土岐麻子の声がいい。
深いのに透明感がある声。
音が少ないところにすっと馴染むのにちゃんと映える。
声が出ない人魚姫のうたをこの声が歌うのか、と思うと余計に胸が苦しくなる。
とても素敵な曲に出逢えたなぁと思う。
結構昔の曲だけど、アルバムも聴いてみようかなって思ってる。